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空想癖人のわや日記

日々の日常、小さなオツムで思うこと。

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2025/Apr
Monday
11:00:06 Comment(-)
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3Z銀新本。


銀新本の7冊目、以下詳しい情報です。

◆「青春ステージ!」⇒P36 A5¥350 です。
3Zでの銀新本小説。
表紙の6名+新八の7名で高校の演劇部の助っ人に入り、大会を目指すドタバタ青春ストーリーでおおくりします。
銀新を無理やり入れているように感じるかもしれませんがそれは気のせいです…。
そしてこちらオリキャラ含みますのでご注意下さい。

※取り扱い書店様→とらのあな
 お求めの際はこちらの委託書店様にてお願い致します。
(自宅通販も行っておりますのでこちらもご利用いただけます。)

◆青春ステージ!◆

「―――と、言うわけだ」

教壇に立ち、神妙な顔でこの3年Z組の担任はそう告げた。
「……先生」
はい、と挙手をし、志村新八はその担任に冷めた視線を送る。
「何だ新八」
「…そう言われても、理由も何も話してないんですけど」
そんな新八に銀八は呆れた息を吐き、
「…バッカお前っ。それくらい悟れよ新八なんだから」
「無理言わないで下さい」
はい先生、と今度はビン底眼鏡を掛けた女子が挙手をする。
「私、もうお弁当食べちゃいましたー」
「今は告白タイムじゃねーぞー。しかもお前は毎度だろ神楽。ちなみに俺は新ちゃんが好きです」
「黙れ天パ」
「先生っ!」
「あぁ?何だ近藤」
「俺はお妙さんが大好―――」
ゴンッ!と重みのある音が教室に響き、近藤の声は遮られた。ドサリと倒れたゴリ――近藤を、クラスメイトたちは毎度のことなので気にも留めない。
「先生、勧めてください」
「…そうだな」
妙の笑顔に、銀八は一つ咳払いをして本題に戻る。
「まぁ、簡単に言うとあれだ。お前たちの中から何人か、臨時の演劇部員になってもらう」
しばしの沈黙の後、「はぁ?」と声が揃った3Zの生徒たちに、銀八は含みのある笑みを向けた。

***

「これが、今夏の大会に向けて行う舞台の台本です」
銀八が去った後、来週までに読んでおいてください、と集まった皆にその台本のコピーが手渡される。
臨時の演劇部員として台本を貰ったのは、新八、神楽、桂、長谷川、妙、九兵衛、花子、この七名。
パラパラとページを捲りながら、神楽が部長に尋ねる。
「私、何の役アルか?」
あんま長い台詞とかは嫌だなぁ、と呟く長谷川の隣で、新八はあることに気付いた。
「……ん?あれ?これ――役が、部長さんしか…」
「はい。一人芝居ですので」
「へぇ、一人芝―――え?ひとり?」
「何アルかそれェ!何の役にも付けないなんて酷いヨ!詐欺アル!」
喚く神楽を気にも留めず、長谷川が声を上げる。
「でもこれじゃあ、俺らは何の仕事をすりゃいーんだ?」
「はい。3Zの皆さんには、舞台監督や音響、照明担当、そして大道具小道具等の責任者としての役割をそれぞれ行っていただきたいのです」
長い前髪で目は見えないが、部長の言葉に新八が眉を寄せる。
「でも…それなら僕らじゃなくて、他の部員に…」
「他の部員はいません。演劇部は私一人です」
はっきりと通る声で部長はそう言い切った。
同時にその場の空気が固まる。
「……え、部長…ひとり…?」
「はい」
「ひとりで…部長…?」
「はい」
「……………」
しばしの沈黙の後、部長ォォオオオオッッ、と七名の声が綺麗に重なり響き渡った。

***

小声で話す生徒たちの会話に、新八は冷や汗を流す。このままこの写真をさらすわけにはいかない。チャイムが鳴れば更に生徒は増えるだろう。その前に何とかしなければと思うのに、体が動かない。気だけが異常に焦る。
―――どうしよう、どうしよう、どうしよう。
「やだ、汚い」
―――え。
不意に聞えた声に、新八は固まる。その言葉に焦りも消え、ただ呆然と立ち尽くした。
―――キタナイ…?
言葉の意味を理解したと同時に、怒りで顔が熱くなる。
隣で神楽が動き、何かを発しようとした声は、別の声によって遮られた。

「汚いってなんだよ」

それはとても低く、冷ややかな声色。
「こいつのどこが汚ぇんだよ」
掲示板の前に無理やり入って行く白衣の男は、音を立ててその写真を引き剥がす。
写真を握り潰し、振り返る銀髪の担任の目には、いつもの気だるさは欠片もなく、まるで刺すような鋭い視線。
「人のプライバイー勝手に撮って、こんなコトする奴の方がよっぽど汚ぇだろーがっ!」
その気迫に、場は一瞬にして静まり返る。
誰もが口を紡ぐ中、それを見計らったようにチャイムが鳴った。
「ほら、チレチレ、てめーら」
しかし今度は気だるそうに頭を掻いて生徒を追い払う姿に、皆少し安堵したようにそれぞれの教室に戻って行く。
「…せん、せい…」
新八の呟きに、銀八はちらりとだけ視線をよこし、その肩に手を置いて神楽たちを見る。
「ほれ、おめーらも早く着替えてこい。昼休み終わっちまうぞ」
そしてそのままスリッパを引きずりながら、だるそうに帰って行く後姿を、新八はただ眺める。
一瞬だけしか合わなかった視線だが、肩に置かれた手の温かさに、何故かとても安堵したのだった。

つづく。


繋がってませんが、サンプルでした。
意外に(?)真面目な展開でおおくりしていきます。青春ストーリー。
演劇部の部長さん(前長さん)がオリキャラでした。
この部長さんを皆で支えていく感じの話です。

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2012/Apr
Wednesday
20:25:00 Comment(0)
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